駐車場という床

駐車場床というと単純に「車を停める場所」をイメージするが、駐車場は不特定多数の人が人それぞれの運転方法でやってきては、人それぞれの停めやすい所へ停めるという、なんとも予測のつかないかなり過酷ないじめに遭う。
バイクスタンドで傷付けられたり、放置されたカ‐トが車に轢かれてひきづられたり、糖分たっぷりの飲み物をこばされたりするのだ。特に屋上は風雨、紫外線などの上からの攻撃だけではなく、下地のコンクリート中の水分、下地クラック、建物の挙動によるたわみにも耐えている。最近は騒音対策が万全になったが、数年前までは深夜、暴走族の溜まり場で急カ-ブや汚物にも耐えてきたのである。
こんな過酷な条件の駐車場防水床工法に対して、ダイフレックスは創業当時から室内用としてエポキシ樹脂の硅砂撒き仕様(現在も継続)やアスファルトコンクリ-トのカラ-リング仕上げ材を上市していた。
ダイフレックスの本格的駐車場床工法の現場第1号は、平成3年~4年(1991年~92年)施工の新東京国際空港旅客タ-ミナルビルで、ウレタン+FRPのダブル防水工法である。
その結果は大変良好であった。この評判を受け、全国の大規模な量販店などを中心に爆発的にヒットしたのである。
1994年頃は、施工面積が10,000㎡以下は「小さい現場」だと感じてしまうほど、当然のごとく大規模物件を手掛ける大繁盛期であった。
かなり専門的な話になるが、正式にパワレックス工法としてウレタン+FRPを開始したのは1993年以降のことである。それ以前は、様々な失敗や改良の繰返しであった。
そのひとつがケイ砂の問題である。実は、ウレタン+FRPの防水でネックになるひとつのポイントは、滑り止めとして撒くケイ砂が取れやすいということである。
実は、現在でもFRP防水層の上のケイ砂は比較的取れやすく、先に述べたようにありとあらゆる人が訪れるので、我々は常に材料の改良や塗布量の改善を行っているのである。
最初はFRPのガラスマットを一枚入れてから、樹脂を塗布してケイ砂を散布していた。
しかし、撒いた直後からケイ砂がポロポロ取れてしまうので、1993年夏の新潟県にあるショッピングセンターの現場からはガラスマットを一枚入れて樹脂で固める時にケイ砂を散布する仕様が登場し、しばらくは前手順の方法と併用していた。1995年頃から同時散布が正式仕様になっている。
駐車場床の場合は、ただ単に防水としての機能だけでなく、車が走行する床として必要な条件もクリアしなくてはならないために、現在でも様々な仕様を改善しながら、これらの問題に対処しているのである。
このように紆余曲折を繰り返しつつ生まれた、これらの現場も続々と10年以上が経過し、保証期間を乗り切った現場調査に行くと、よく耐えてきたと感じるが、施工時に気をつけるべきポイントは意外にシンプルで、仕様通りの材料が下地に塗布されていれば、大丈夫なのである。
下地の研磨、クラック処理と施工時のつなぎ目の処理を忘れなければ完璧である。

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