飛躍の時 ~ダイフレックス~

三浦は、ウレタンの将来性に着目し、大和高分子工業が厳しい苦境であった時期においても少量ながらウレタン防水材の試験的な生産を続けていた。
やがて、ウレタン樹脂にコールタールを配合したまったく新しい防水材が誕生したのである。
新製品を持って東京中の防水業者や建材商を軒並み当たり、優れた性能を紹介して回った。
ところがようやく採用されて施工してみると、雨が漏るというクレームが各所から舞い込んでくる始末であった。この原因はタールウレタンの老化性にあることが分かった。
屋上などに施工された場合、太陽熱に過熱されるとボロボロになってしまうのだ。
どうやらタールに問題があるらしい。
偶然その時機、三井東庄化学から声がかかった。売り出して間もない防水材原料のハイブレン(商品名)を使ってみないかという誘いであった。
この取引が幸運をもたらしたのである。

昭和44年3月、三井東庄化学からの技術的な助言もあって、大和高分子工業はノン・タールウレタン防水材の開発に成功した。日本初の快挙である。
ポリウレタン樹脂を基調とする新製品「ダイフレックス」は防水材、シーリング材、緩衝材として優れた効果を発揮し、漏水などのクレームはピタリと止んだ。
これを機に大和高分子工業は特殊塗料、接着材などの総合メーカーへの道を歩み始めたのである。

この記念すべき飛躍の製品「ダイフレックス」の名称は、後に社名にも使われることとなる。

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