防水層の厚さはどうやって計測するの?

ウレタンやエポキシ樹脂で塗り床を仕上げたときに、仕上がってからでは膜厚を計ることは破らない限り正確にはわからない。
ダイフレックスでお勧めしている方法は渦電流を使用した塗膜厚測定器(写真1)で、これにより破ることなく測定することが可能であるため、近年では特に、品質管理が問われるようになってこのシステムをご採用いただくケースが増えてきている。


 実際に膜厚を測定する方法では、針入式の膜厚計を利用されるケースが多い(写真2)。 この方法は、針が下地に届くまでの幅を厚みとして計測するため、ウレタン防水材のように針が下地まで刺さる素材でないと計測できない。
元々一針式のものが多かったが、このタイプは角度によるブレが大きく、三針式が主流となっているが、どちらにしても針により防水層を傷つけることに変わりはない。

また、実際切り取って厚みをノギス等で測る方法もある。(写真3)
この方法は確実に厚みを計ることができる反面、防水に関しては防水層を破壊することになってしまうため、敬遠されることが多い。 特にウレタン防水のようなシームレス(継ぎ目の無い)防水層がウリの材料にはお勧めできない方法である。
しかしこの方法のモデルとして行われているのが、本番と同じようにサンプル下地に施工した材料を剥し計測する方法である。 土木分野の工事においてはこの方法が取られることもあるようだが、実際に施工されているものを計測するわけではないので、膜厚管理方法として完全とは言えないと考えられる。

現在一般的に行われている測定方法は、材料の使用量を面積換算し、厚みを割り出す方法であるが、これにおいても課題が多い。
ウレタンやエポキシ樹脂などの材料は前述『ウレタン防水』の回で述べた超速硬化ウレタンでもない限り硬化に一定の時間が掛かる。
その間にセルフレベリングといって水平になろうとする力が働くため、仕上がりがキレイになる反面、下地の凸部の厚みが薄くなったり、勾配によって流れ、水下側が厚くなりすぎたりするのである。これでは、規定材料を全て使いきったからといって厚みが確保されているとは言いがたい。
現在は塗る回数を増やすことにより対処せざるを得ないが、やはり完全とは言えないのが現状である。
さらに、使用する樹脂そのものの比重換算が長い間見過ごされてきており、比重が重いほど厚みをつけるために材料を多く使用しなければならず、材料の使用量(重量)だけでなく、比重も換算の上材料使用量を計算する必要がある。

現在防水層の膜厚管理において最も進んでいるのは、文頭で申し上げた渦電流式膜厚計や電子式膜厚計等を使った非破壊式膜厚検査であろう。
下地が金属であればそのまま測定することが可能であるが、膜厚を計るための金属がラミネートされた通気緩衝シートなど様々な製品の改良が進んだため、かなりシビアな品質管理が出来るようになってきた。
全てにおいて使用できるわけではないが、昨今の品質管理手法の見直しによって基準がより厳しくなり、このような管理手法が多くなってくることによって防水機能の信頼性が上がり、塗膜防水にとって追い風となってより多くの採用につながっていくことは、今後間違いないと考えられる。

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