屋根に芝生を植えて防水する その1

現在では「ヒートアイランド」の問題があり、「屋上緑化」はマスコミなどでも盛んに取り上げられているが、日本でその動きが活発化したのは『屋上開発研究会』なるものが平成元年4月に設立されて以降のことである。

高度成長期を経て都心ではビルが乱立し、地価は上昇した。このため利益を生まない土地はビルやマンションにどんどん変わっていった。
そこで土地の有効利用という面で注目されたのが屋上だった。
当初の『屋上開発研究会』は都会の遊休地としての屋上をいかに有効に活用するかがテーマであった。テニスコートを作ったり、アミューズメント施設にしたりといろいろな提案がなされたが、その中で一番時代のニーズにマッチしたのが「屋上庭園」だった。もともと日本においても屋上庭園というものは存在していた、それはアスファルト防水に重い押えコンクリートを打設し、黒土を盛り植栽をするというものであった。
この方法は屋上に非常に荷重がかかり、構造的にコストがかかるため、改修では使えない方法である。そのため露出防水の上に植栽ができ、尚且つ土壌の軽量にする方法が研究された。

屋上を緑化することの効用は大まかに以下の3つである。
①大気の浄化作用―CO2の吸収、酸素の放出、汚染物質の吸着
②都市気候の改善―都市温暖化現象(ヒートアイランド)の解決
③建物の省エネルギー-断熱効果
が、あげられる。しかしながら地上とちがって屋上は天然地盤をもたず高所に立地することから、日照条件は良好である反面、
①風が強い-地上高が高くなるに従い風速が大きくなる。
②温度-屋上は直に日光を受ける為、過酷な温熱環境になる。
③湿度-屋上の湿度は地上と殆ど差異がないが、地上と違い地下からの水分補給
がないため乾燥しやすい。

以上のような屋上特有な条件を考慮し、植栽計画をたてることが重要である。

また、防水層にも通常の屋上防水と違った性能が要求される。
①防根性―植物の根はちょっとした隙間があればそこに入り込み、水分のあるところへ
向かい成長し太くなっていく。このためジョイントのないシームレスなものを使うか、
防根シートを用いて防水層を保護する。
②耐薬品性・耐バクテリア性―土中のバクテリアや肥料に含まれる薬品に対し強い
材料を選ぶようにする。また、一般に土壌酸性のものが多く耐酸性も必要である。
③耐水性・水密性―土壌は雨水、潅水などにより常時湿潤状態にあるため、高い
水密性や耐水性が要求される。そのためシームレスな防水層が望ましい。

以上、屋上緑化するためにはいろいろ条件がある。荷重の面、防水工法、保守管理(水やり、剪定)など屋上特有のものがいろいろあり慎重に考慮する必要がある。
各自治体とも屋上緑化に対して助成金を出すなどして推進しているがコストや技術の面にまだまだ課題があり、すべての建物に緑化を取りれるというところまでに至っていないのが
現状である。

1 / 11