日本の石材屋根

石の種類は大きく、『火成岩』『堆積岩』『変成岩』の3種類に分かれる。
簡単に説明すると火成岩はマグマが固まり出来上がったものであり、堆積岩は小石・砂・泥や生物などが溜まって固まったもの、変成岩は元来あった石が熱や圧力などの外的要因を受けて別の石に変わったものである。
石材と言われ、すぐに頭に浮ぶであろう、墓石、記念碑、モニュメント等に使われているものは一般的に火成岩に分類される花崗岩(御影石)である。
また、鑑賞用としてではなく建築分野で主に内外装材として用いられたのは砂岩や粘板岩であった。砂岩は疑灰岩や石灰岩と同じ堆積岩である。
堆積岩は、水中における水の作用によっていろいろな物質が堆積して固まった岩石であり、地層をつくっているため岩石中にしばしば化石が含まれる。

世界的に見ても砂岩は汎用的な建材であり、構造材や一般的な仕上げ材のほか屋根の材料としても使っている。日本では雨や湿気が多いため、建材としてはあまり使用されなかった。粘板岩も堆積岩の一種であり、通称「天然スレート」と呼ばれる。
古生層や中生層で凝固したもので、均一で非結晶質の板状組織をもち、粘土に炭素物質や酸化鉄分が混在した組成・状態になっている。色調は一般に黒か赤褐色だが、中には緑色のものもある。容易に板状に加工でき、曲げ強度が強いため、多くは屋根材に用いられる。日本では宮城県三陸地方で昔から屋根材として使用しており、現在でもそのような民家の屋根を見ることができる。
石の屋根と言えば天守閣の中では日本最古を誇る丸岡城(福井県坂井郡丸岡町霞町)もその一つである。
昭和九年に国宝に指定されたが、福井大震災(昭和二十三年)で倒壊。
昭和二十五年重要文化財に指定された後、昭和三十年に修復再建されている。天守閣はその当時のままの状態で保存されており屋根は二重、内部は三層と古調に富んだ望楼式天守閣は、後の時代に建った松本城、姫路城などの層塔式天守閣と比較すると、城郭建築の初期のものであり建築学上、貴重なものである。 この丸岡城の屋根の瓦が全て石(笏谷石・しゃくだにいし)で造られているのである。
笏谷石は福井市郊外にある足羽山周辺で産出される青みを帯びた石で古墳時代の石棺など古くから利用されてきた石材で、分類では堆積岩の中の凝灰岩にあたり、火山灰などの火山活動で噴出した物質が堆積して出来た岩のことである。
凝灰岩の特徴は比較的軟らかくて加工しやすい点、多孔質(岩石の中に空隙が多い)で比較的軽量である点、耐火性や耐酸性に強い点などが上げられる。
加工しやすく火に強いという点では、屋根材料として向いていたと思われる。
ちなみに丸岡城の場合、天守閣に葺かれている瓦は約6000枚、その重量は約120tにもなる。

防水の観点から言えば今後、建物の軽量化や耐震問題が話題となっている今日において、石材が屋根防水として日常的に利用されることは難しいと思われる。
しかしながら石材の歴史を紐解くと防水の原点とも言える。
人の気持ちに心地よいゆとりを与えるものとして、その活躍するフィールドを変化させながら、存在し続ける材料であることには間違いない。

【参考文献・サイト】
□旧丸岡町ホームページ
□http://www.geocities.jp/zanyphenix/shiro279.html(丸岡城

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