ウレタン防水

ウレタンはあらゆる樹脂の中でも接着力が高く経済性の面でも優れている。
但し、下地に水分が多いと密着しない欠点がある。
液状の材料を現場で固めて防水層にすることで簡易に防水できるというメリットがうけて改修工事に多く採用されたことから、新築時に施工された防水の保護コンクリート目地の動きやひび割れに追従しきれず破断に至ることや、表面は乾いていても保護コンクリートの下の防水層に水分が多く、その水分が温度変化により水蒸気として上昇するときに膨れが発生するなどの問題点が見られた時期があった。
その後、補強布を入れるなどウレタン防水の改良は徐々に進んだが、昭和52年に前述の欠点を補う工法が開発されることによりウレタン防水の歴史が大きく変わることになった。その工法は現在の公共建築仕様のX-1としても採用されている通気緩衝シートとウレタンを組み合わせた工法である。
前述にあるような防水を破断させるような動きに対しては緩衝シートが吸収し、膨れを発生させるような水蒸気の上昇はシートに通気層を設け、一定の箇所にエアー抜きを設置し外部に排出させるというものであった。
元来、小面積の改修工事向きであったウレタン防水はこの工法の開発により、新築や大規模な防水改修にも多く採用されるまでになり、現在でも防水改修工事の主流材料になっている。
次に大きくウレタン防水の歴史に影響を与えたのは、超速硬化ウレタンと呼ばれる硬化の非常に早いウレタン防水の開発であった。主剤と硬化剤を攪拌してから約3分程度で硬化してしまうこの材料は、それまでのウレタンのように手作業で施工することが出来ず、専用の吹付け機械によって施工する。
この材料の開発により、今までウレタン防水では施工が困難であった急勾配の屋根や、金属屋根、施工後に1日間上を歩行できないため採用されなかった開放廊下や階段の
防水など飛躍的に施工範囲が広がることになった。現在では、建築のみならず橋梁や蓄熱層、地下防水など土木の分野にも採用されるに至っている。
また、近年では地球環境負荷の低減とコスト低減を目的として、既存の防水層を出来る限り撤去、廃棄しないで施工できるような防水工法が望まれている。
これにもシート防水と同様にウレタンの浮かし張り工法が開発され、改修工事の幅を広げている。さらに、環境配慮という面では、作業者や周辺に配慮した環境配慮型ウレタンが現在注目されている。
防水工事の原因によるシックハウスや臭気苦情などが表面化してくることにより、有機溶剤や有害とされている化学物質を含まないウレタン防水材への要求が高まり、水性化や無溶剤化が急速に進んでいる。

このようにウレタン防水は数々の欠点を克服し、現在の防水分野には無くてはならない存在となっているが、今後の課題として品質管理が挙げられるだろう。ウレタン防水は工場生産され一定の膜の厚みが固定されているシート防水等と違い、施工方法、材料使用量などにより、現場で様々な厚みを形成することができる。
これは逆に施工者のさじ加減一つに防水の性能が左右される可能性があるのである。
品質管理方法についての詳細は後述するが、材料、工法と同様に画期的な改良に期待したい。

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